山中たつる小児科***小児科一般外来・アレルギー疾患外来・予防接種・乳児健診・育児相談
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T 予防接種の際の感染防止について
予防接種の際に病気の患者さんとの接触を避けるため、予防接種を受ける場合には出来るだけ予防接種の時間帯に受診ください。
この時間帯は予防接種の患者さんのみの診療時間帯です。

U 定期接種ワクチン(無料接種、11種類) V 任意接種ワクチン(有料接種、2種類) W 予防接種を受ける際の注意事項   X 予防接種の副反応と健康被害・救済制度   Y 予防接種に関する参考資料

予防接種には、予防接種法に基づき市町村が実施する定期接種(無料接種)と同法に基づかない任意接種(有料接種)があります。

T 予防接種の際の感染防止について

1 予防接種の時間帯受診で感染防止

予防接種で受診する場合、病気の患者さんが受診しない時間帯(月曜〜金曜の13:30から14:30)に受診ください。都合でこの時間帯に受診できない場合は通常の診療時間帯に受診してもかまいません。

その際は順番がくるまで院内隔離スペースか自家用車内でお待ちください。

2 コロナウイルス感染防止について

コロナウイルス流行期間中はマスクを着用し、待合室に入る前にアルコールで手指消毒をして下さい。

待合室入り口の問診スペースに「新型コロナウイルス感染の問診票」がありますので必要事項を記入し、お子様と付き添いの方の体温を記入し受付へお出しください。

もしお子様が発熱していたり、家族にコロナウイルス感染を疑わせる方がおられる 場合には、予防接種を延期させていただく場合もあります。

U 定期接種ワクチン

1 三種混合(DPT)および四種混合(DPT-IPV)ワクチン

第1期の初回免疫では、生後2か月から生後12か月までの間に1か月間隔(20日から56日間隔でも可能)で0.5mlを3回皮下注射します。

三種混合(DPT)ワクチン:ジフテリア・百日せき・破傷風
四種混合(DPT-IPV)ワクチン:ジフテリア・百日せき・破傷風・急性灰白髄炎(ポリオ)

※令和5年4月より、生後2か月より接種可能となりました。

2 二種(ジフテリア・破傷風:DT)混合ワクチン

ジフテリア・破傷風の第2期追加免疫は、11歳から13歳までの間にジフテリア・破傷風(二種混合)ワクチンを0.1ml皮下注射します。

3 麻しん・風しん(MR)ワクチン

第1期は、生後12か月から24か月までの間に0.5mlを皮下注射します。

第2期は、5歳から7歳(小学校就学前)までの間に0.5mlを皮下注射します。

4 ヒブ(インフルエンザb型菌:Hib)ワクチン

インフルエンザ菌b型による細菌性髄膜炎は生後2か月頃から発生発生しやすいので、出来るだけ標準スケジュールで受けましょう。

(1)  標準接種
スケジュール

(生後2〜7か月で開始の場合は合計4回接種可能)

接種対象年齢は生後2か月から60か月60か月(5歳)までですが、標準的には生後2か月から7か月未満の間に1か月間隔(27〜56日の間隔で可)で0.5mlを3回皮下注射します。
更に7か月から13か月までの間に4回目を0.5ml追加接種します。

(2) 接種もれ
スケジュール1

(生後7〜12か月で開始の場合は3回接種可能)

初回接種開始が生後7か月から12か月までの場合、1か月間隔で(27〜56日の間隔で可能)0.5mlを2回皮下注射したあと、7か月から13か月間に0.5mlを追加接種します。

(3) 接種もれ
スケジュール2

(1歳以上5歳未満開始の場合は1回接種可能)

初回接種を1歳から5歳までに行った場合は0.5mlを1回皮下接種できます。

5 小児肺炎球菌ワクチン

ヒブと同じく肺炎球菌による細菌性髄膜炎が乳児期早期から幼児・学童期まで発生します。ヒブワクチン同様生後2か月から開始の標準スケジュールで予防接種を行うことが大切です。

(1)  標準接種
スケジュール

(生後2〜7か月の間に開始した場合は、4回接種可能)

肺炎球菌ワクチンは生後2か月から生後60か月(5歳)までが対象年齢になっていますが、この期間は髄膜炎にかかる可能性が高いため、標準的には生後2か月から7か月までの間に初期免疫を開始し、1か月間隔(27〜56日の間隔で可能)で0.5mlを3回皮下注射します。
3回の初期免疫を終了してから、7か月から13か月までの間に4回目の追加接種を行います。

(2) 接種もれ
スケジュール1

(生後7〜12か月間で開始の場合は、3回接種可能)

初回接種を生後7か月から12か月までの間に行う場合は、0.5mlを1か月間隔(27〜56日間隔でも可能)で2回皮下注射し、その後7か月から13か月をあけ3回目を追加接種(0.5ml)します。

(3) 接種もれ
スケジュール2

(生後12〜24か月間で開始の場合は、2回接種可能)

初回接種を1歳から2歳までの間に行う場合、0.5ml1回皮下注射したあと60日以上おいて2回目接種(0.5ml)を行います。

(4)  接種もれ
スケジュール3

(生後24〜60か月で開始の場合は、1回接種可能)

初回接種を2歳から6歳までに開始した場合は、1回だけ接種できます。
肺炎球菌ワクチンを無料で定期接種できるのは5歳(生後60か月)までで、これをこえる場合には有料接種となります。

6 BCG(結核の予防は各区の保健センターで毎週実施していますが、5週目はなし)

接種対象年齢は標準的には生後5か月から生後8か月になっていて、札幌市では生後5か月時に保護者へBCG接種の日程を案内しています。
しかしこの時期はヒブや肺炎球菌、B型肝炎、四種混合ワクチンなどの予防接種を行う時期に重なり、これらワクチンを優先して早く終了する必要があります。そのためBCGワクチン接種の日程を先に延ばすよう日程変更しなければいけなくなる場合があります。変更の場合は居住地の保健センターへ電話連絡して下さい。

7 水痘ワクチン(2回接種)

(1)  接種時期

接種対象年齢は生後12か月から36か月までですが、標準的には生後12か月から15か月に至る間に0.5mlを皮下注射、1回目終了後3か月から12か月の間に0.5mlを追加接種します。

8 日本脳炎ワクチン(1期、2期を含め4回接種)

北海道は日本脳炎の流行地ではなかったため、これまで日本脳炎ワクチンの定期接種は行われてきませんでした。
しかし道民が流行地へ旅行したり滞在する機会が増え日本脳炎ウイルスに感染する機会が増大していることから、道民にもワクチンで免疫を付与する必要があると考えられるようになり、平成28年4月1日から北海道でも日本脳炎ワクチンは定期接種となりました。
日本脳炎ワクチンの定期接種は一時(平成17年度から平成21年度にかけ)中断していたため、その期間中に接種を受けなかった方を救済するため特例処置が設けられ、北海道もこの特例法に基づいて日本脳炎ワクチンの接種が行われています。

(1)  平成21年10月2日以降に生まれた方(標準的な接種スケジュールで実施)

@ 第1期(合計3回接種)

対象年齢:生後6か月から90か月(7歳6か月)に至るまでの方
接種回数とスケジュール:初回免疫は1〜4週(6日から28日)の間隔をあけ0.5mlを2回皮下注射します。2回目接種後6か月から12か月の間隔をあけ0.5mlを追加接種(3回目)します。
標準的には初回免疫(2回)は3歳、追加免疫(3回目)は4歳で接種しますが、日本脳炎流行地へ旅行したり転居するため早期に接種を受けたい場合には生後6か月からでも接種可能です。

A 第2期(1回接種)

対象年齢:9歳から13歳未満(13歳の誕生日前)までに0.5mlを皮下接種します。

(2) 平成19年4月2日から平成21年10月1日までの間に生まれた方(特例処置)

第1期接種を生後6か月から90か月(7歳6か月)に至るまでの間に完了できなかった方は、残り回数を第2期の接種年齢(9歳以上13歳未満)の間に接種することが可能です。

第1期不足回数分を9歳以上13歳未満で受ける場合は、1期追加免疫(3回目)から6日の間隔をおいて4回目の接種できますが、もし十分な時間的余裕があれば5〜10年の間隔をあけて4回目を接種することが望ましいです。

未接種回数を定期接種で行う場合の対象年齢は9歳から13歳未満までに限られているため、7歳半から9歳未満までの間や13歳以上になって接種する場合は定期接種として認められませんので注意が必要です。


*平成22年3月31日まで日本脳炎ワクチンを全く受けていない方は、計4回接種可能です。
6日以上(標準的には6〜28日)の間隔で2回接種し、6ヶ月以上(標準的には1年)の間隔をおいて3回目を接種、3回目接種から6日以上の間隔を開けて4回目を接種できます。4回目接種は9歳以上13歳未満の間に接種します。

この時期に誕生した方の接種スケジュールの例として以下の様なスケジュールが考えられます

 A.生後7歳半までに6日あけて2回接種可能な場合は、9歳になってから3回目を接種し、3回目から6日あけて4回目を接種する。

 B.生後7歳半までに1回接種可能な場合は、9歳になってから2回目を接種し、2回目から6ヶ月をあけて3回目を接種、3回目を接種してから6日以上あけて4回目を接種します。

 C.9歳以上で接種を開始する場合、13歳に達するまでの間に6日以上の間隔を開けて2回接種しその後6か月以上(概ね1年)の間隔を開けて3回目を接種し、3回目接種から6日以上の間隔を開けて4回目(2期)を接種出来ます。


*平成22年3月31日まで日本脳炎ワクチンを受けたことがある場合は、残りの回数を受けることが可能です。生後6か月から90ヶ月に至る間、または9歳以上13歳未満の何れの間の年齢で6日以上の間隔を置いて不足回数分を接種出来ます。
4回目接種は9歳以上13歳未満の間に接種します。

(3)  平成19年4月1日以前に生まれた方で20歳未満の方(特例処置)

20歳になるまで4回接種(1期として3回、2期として1回)が可能です。接種は標準接種スケジュールに基づいて受けることができます。

3回目接種から6日以上の間隔をあけ4回目の接種が可能ですが、時間的余裕がある場合には5〜10年の間隔をあけて接種するのが望ましいです。

ただし接種時点で20歳に達している場合には定期接種対象外になり、有料接種となるので注意が必要です。

9 B型肝炎(HB)ワクチン

B型肝炎ウイルス(HBV)の感染は、HBV感染キャリアー妊婦から出産時感染する母子垂直感染や乳児期にHBVキャリアーから感染を受ける水平感染があります。乳児期に感染すると高頻度でHBVキャリアーになりやすく、将来肝硬変や肝臓がんになることがあります。

乳児期のHBV感染によるキャリアー化を防ぐためには乳児期早期からHBワクチンで予防する必要があり、日本では平成28年10月1日から全ての乳児にHBワクチンを定期接種するようになりました。

(1)  標準的な接種スケジュール

定期接種は平成28年4月以降に生まれた0歳児を対象にし、生後2か月と3か月に0.25mlを2回皮下接種し3回目は生後7〜8か月で接種します。

(2) 母子垂直感染防止スケジュール

妊婦がHBVに感染している場合、乳児への垂直感染を防止するため、生後12時間以内に抗HBs人免疫グロブリン(以下HBIGと略す)とHBワクチンを接種するB型肝炎母子感染防止事業が昭和60年から開始されました。
さらに平成25年10月から母子感染防止事業が改正され保険適応となり、生後2か月に実施していたHBIG注射を省略するようになりました。

母子垂直感染防止法は、出生直後(12時間以内が望ましいが遅れた場合はできるだけ早く)にHBIG1mlを2か所に分け筋肉注射し、同時に1回目のHBワクチンを0.25ml皮下注射し、2回目、3回目のHBワクチンを生後2か月、生後6ヶ月に0.25ml皮下注射します。

生後9〜12か月頃にHBs抗原とHBs抗体検査を実施、HBs抗原陰性でHBs抗体が10mIU/ml以上の場合には予防が成功したと判断し、ワクチン接種を終了します。
またHBs抗原陰性でHBs抗体10mIU/ml以下の場合には、抗体反応が不十分と判定し、HBワクチンの追加接種を行います。
一方HBs抗原陽性の場合には、分娩時にHBV感染が起きたと判断し、専門医療機関で精査を受ける必要があります。

10 子宮頸がんワクチン

標準的な接種期間は小学6年生から高校1年生の女子(12歳から16歳)

平成26年4月1日に定期接種化されて間もなく、接種後血管迷走神経反射で失神したり広範な慢性疼痛、運動障害などを示す被害者が多発したため、平成26年6月14日から国は積極的な接種勧奨を控える処置をとっていました。

令和4年より積極的勧奨接種が再開され、令和5年4月より9価(シルガード9)ワクチンが使用可能になりました。

 詳しくは⇒

11 ロタウイルスワクチン

ロタウイルス胃腸炎防止のための弱毒生ワクチンで、ロタリックスワクチン(1価)とロタテックワクチン(5価)の二種類があります。

(1)  接種スケジュール

接種スケジュールは、生後2か月から開始し1か月間隔でロタリックは1.5mlを2回、ロタテックは2mlを3回経口接種します。

(2) 注意事項

2種類のワクチンとも、生後2か月から15週未満の間に初回接種をしなければいけなく、この時期を超えると受けることが出来なくなります。
下痢などの症状がある場合は症状が回復してから受けて下さい。
まれに腸重積をおこすことがあるため、頻回の嘔吐や血便などの症状がある場合は医療機関を受診して下さい。

V 任意接種ワクチン(有料接種)

1 インフルエンザワクチン

生後6か月から接種が可能になります。

接種量は、生後6か月から3歳未満までは0.25mlを、2〜4週間隔で2回接種します。

3歳から13歳未満までは、0.5mlを1〜4週間隔で2回接種します。
13歳以上は0.5mlを1回接種しますが、1〜4週間隔で2回接種することも可能です。

2 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)ワクチン

おたふくかぜウイルス感染により耳下腺、顎下腺、舌下腺が腫れる病気です。
時に膵炎、腎炎、髄膜炎、髄膜脳炎、感音性難聴などの合併症を引きおこし、男児は精巣炎、女児は卵巣炎などを引きおこし不妊症になる場合もあります。

おたふくかぜワクチンは1歳以上の小児に0.5ml皮下接種します。日本小児科学会は、1歳時と小学校入学前に2回接種する方法をすすめています。

W 予防接種を受ける際の注意事項

予防接種を受ける前の注意事項が定められています。予防接種を受けてはいけない事項(予防接種が出来ない状態)と充分注意をして受ける事項(予防接種要注意)が、各5項目あります。

1  予防接種が出来ない状態

(1)通常37.5℃以上の発熱がある場合
(2)重い急性疾患にかかっていることが明らかな場合
(3)接種を受けようとしたワクチンで、以前の予防接種でアナフィラキシー反応を起こ
   したことがある場合、同じワクチンの接種は避けるべき
(4)接種を受けようとする人が妊娠している場合は、麻しんワクチンや風しんワクチ
   ン、MRワクチンは受けることが出来ません。
(5)予防接種を行うことが適当でないと医師が判断した場合

予防接種の要注意状態

(1) 心臓血管系疾患(心筋炎・川崎病・心内膜炎・リウマチ熱)、腎臓疾患(急性腎不
   全時・腎疾患の急性期増悪期・プレドニゾロン製剤を2mg/kg/日使用中の場合な
   ど)、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有する場合
(2) 予防接種で2日以内に発熱があった場合や、全身性発疹などのアレルギーを疑わせ
   る症状があった場合
(3) 接種しようとするワクチン液でアレルギーを起こす恐れのある場合
(4) 過去にけいれんの既往があった場合
(5) 過去に免疫不全の診断がされた方や、近親者に先天性免疫不全の方がいる場合

予防接種の際に保護者の方々に守っていただきたい事項

(1) 保護者の同伴
特別な理由がないかぎり保護者は必ず接種場所に同伴して下さい。ただし13歳以上の小児が接種する場合、保護者が予診票に署名し予防接種に同意していることが確認できる場合には、保護者の同伴がなくても接種を受けることが可能です。

(2) 母子手帳持参
これまで接種した予防接種内容を確認し、同時に当日接種する予防接種の内容を記録するため必ず持参下さい。

(3) 副反応の観察
予防接種を受けた後30分間は副反応などの異常が起きることがありますので、必ず医師と連絡が取れるように注意下さい。

(4) 接種当日の運動
接種当日の激しい運動(マラソン、水泳、野球、サッカー、柔道、剣道など)は控えて下さい。

(5) 予防接種後の異常がある場合
接種後、高熱、けいれん、じんましんなどの異常がある場合は、直ちに医師の診察を受けて下さい。

ワクチンの同時接種と接種間隔

(1) ワクチンの同時接種
定期接種するワクチンの種類が多くなったため、数種類のワクチンを同時に接種するようになりました。ワクチン接種では予期しない副反応が起きることがあるので、赤ちゃんの体調を充分観察し無理のない状態で受ける必要があります。
ワクチンを単独で受けたいのか、あるいは数種類のワクチンを同時接種したいのか、保護者の希望を医師へ伝えるのがよいと思います。

(2) ワクチンの接種間隔
※2020年(令和2年)10月1日からワクチンの接種間隔が改正されました。

@ 不活化ワクチン接種後(DPT-IPV、DT、日本脳炎、インフルエンザ、ヒブ、肺炎球菌、子宮頸ガン、B型肝炎)に異なる不活化ワクチン、経口接種生ワクチン(ロタワクチン)や注射の生ワクチン(MR、BCG、麻しん、風しん、水痘、おたふくかぜ)を行う場合に接種間隔の制限はなくなりました。
ただし同じ不活化ワクチンを何回か続けて接種する場合は、従来通り27日以上の間隔をあけます。

A ロタウイルスワクチン(1価、5価)接種後は、これまで4週間の間隔をあけて他のワクチンを接種してきましたが、今後は4週間の間隔制限は撤廃し、医師の判断で不活化ワクチン、注射の生ワクチンが接種できるようになります。
ただし2回目、3回目のロタワクチンを接種する場合は、これまで通り4週間の間隔をあけます。

B これまで注射で接種する生ワクチン接種後にワクチン接種を行う場合は全て4週間の間隔をあけてきましたが、今後は不活化ワクチンやロタワクチンを接種する場合には4週間の接種間隔をあける必要はなくなり、医師の判断で適時接種可能になります。
ただし注射で接種する生ワクチンを続けて接種する場合は、これまで通り27日間(28日目以降)あける必要があります。

(3) 病気に罹ったあと予防接種が可能になるまでの間隔
札幌市の場合、保健センターでBCGを接種する場合の目安は、麻しんは治癒後4週間(28日目以降)、風しん、水痘、おたふく風邪は罹患後4週間(28日目以降)、突発性発疹、手足口病の場合は罹患後2週間を経過した(14日目以降)方を対象に接種を行っています。

熱性けいれんを含めたけいれんの場合、最終発作から2か月以上の間隔をあけることが原則になっています。

川崎病などで血液製剤(ガンマーグロブリン)の大量点滴療法を受けた場合には、6か月以上の間隔をあけて生ワクチンを受けて下さい。

不活化ワクチンの場合は、かかった病気が回復していれば接種が可能です。

(4)  定期接種の特例処置
定期接種の対象年齢期間中に下記@〜Cなど免疫に異常をきたす病気にかかって予防接種ができなくなったものの、治療で病気がよくなり予防接種不適当要因がなくなったと診断されて2年以内に予防接種を受けた場合は、定期の予防接種として認められます。

ジフテリア、破傷風、百日咳およびポリオの予防接種に四種混合ワクチンを使用する場合は15歳に達するまでの間、結核の予防接種は4歳に達するまでの間、ヒブの予防接種は10歳に達するまでの間、小児肺炎球菌ワクチンの予防接種は6歳に達するまでの間は定期の予防接種として認められます。

@ 重症複合免疫不全症、無ガンマグロブリン血症、その他免疫機能に支障を生じさせる重篤な病気にかかっている場合

A 白血病、再生不良性貧血、重症筋無力症、若年性関節リュウマチ、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、ネフローゼ症候群、その他免疫の機能を抑制する治療を必要とする病気にかかっている場合

B 臓器移植のあと免疫機能剤の治療を受けている場合

C 予診で、医師が医学的知見に基づき免疫機能障害や免疫抑制の可能性があると考え、予防接種の実施が不適切と判断した場合など

X 予防接種の副反応と健康被害、その救済制度

(1) 予防接種の健康被害
予防接種後、一定期間のあいだに色々な身体的反応や疾病が見られることがあります。予防接種後に異常反応を疑う症状が見られた場合、これを健康被害と呼びます。

(2) 健康被害と紛れ込み事故
健康被害の要因として予防接種そのものによる副反応の他に、偶発的に発症したり、 発見される病気が混入する場合があり、これを紛れ込み事故と呼んでいます。
原因を明らかにすることが困難な場合がよくあります。

(3) 接種前の十分な予診と診察の必要性
副反応を起こさないようにするため、接種前にかかった病気の有無や治癒したか否か、健康状態をチェックするための予診(接種前の体温測定や予診票の記載)と接種前に必ず医師の診察を行い、健康状態の確認が大切です。

たとえ十分な予診を行っていても予防接種による重篤な副反応や後遺障害を事前に予知し防ぐことができない場合があるため、国の予防接種ガイドライン2020年度版を参考に予防接種による副反応や健康被害対策についての知識を確認してください。

  

(4) 健康被害の補償制度
予防接種法に基づく予防接種を受けて健康被害を受け治療を要したり、あるいは後遺障害を残した場合、被害者はこの被害の認定と医療費、手当及び年金の請求を行うことが出来ます。

健康被害が受けた予防接種との因果関係があると厚生労働大臣が認めた場合には、予防接種法及び同法施行令などに基づいて健康被害に対する給付が行われます。

請求には疾病の発病年月日、及びその症状を証明する医師の作成した書面又は診療記録の写し等を札幌市へ提出し、この関係書類に基づき札幌市予防接種健康被害調査委員会において予防接種との因果関係を検討します。

任意接種のワクチンにより健康被害が生じた場合には、独立行政法人医薬品医療器機総合機構法に基づいて、健康被害を受けた方又は家族が下記の救済制度相談窓口へ直接請求を行います。

  

請求先 医薬品医療器機総合機構 救済制度相談窓口 
  フリーダイヤル 0120-149-931
     〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞ヶ関ビル10階

Y 予防接種に関する参考資料

(1) 予防接種と子どもの健康 2020年度版 価格102円(税込み)

(2) 予防接種ガイドライン2020年度版 価格204円(税込み)

(3) 公益財団法人予防接種リサーチセンター
  www.yoboseshu-rc.com/



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