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T 乳幼児・学童によく認められる感染症

病気への抵抗(免疫)力が未発達の子どもたちが集団生活を始めるとまもなく、咳や鼻水、発熱、下痢などの感染症の症状を示すことがよくあります。
園児の健康と安全を確保するため平成21年はじめて「保育所における感染症ガイドライン」がつくられ、平成24年に改訂されました。

保育所でよくみられる感染症の対応と登園規則について紹介します。

保育園や幼稚園では、できるだけ感染症が流行しないようにするため、伝染性の強い感染症にかかった子どもは、他の子どもへの感染の心配がなくなるまで登園を控えてもらう規則になっています。
子どもの健康状態が確実に回復し集団生活に適しているか診断してもらい登園させるようにしましょう。

1. 医師の診断名を記入した意見書の提出が必要な感染症
(1)  麻しん
(はしか)

発症1日前から発疹が出て、4日目頃までが他の子ども達への感染性の強い期間ですので、登園の目安は解熱後3日を経過してからとなっています。

(2)  インフルエンザ

発熱1日前から発熱後3日目頃までが一番感染性の強い時期で、その後7日間程度で徐々に感染性は弱まっていきます。
登園の目安は、発熱後5日間、又は解熱後3日間たってからとなっています。

(3) 風しん

発疹出現数日前から5日間程度が他者への感染性の強い時期で、登園の目安は発疹が消えてからとなっています。

(4) 水痘(水ぼうそう)

発疹がでる2日前から水疱(すいほう)が痂皮(かさぶた)になるまでの約5〜7日間が、他の人への感染性があります。
従って登園は発疹が全て痂皮化してからになります。

(5) 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ・ムンプス)

発症2日前頃から耳の下側にある耳下腺が腫れだし、その後1週間くらいの間が他人への感染性があるため、登園は耳下腺や顎下腺の腫れが消えてからになります。

(6) 咽頭結膜熱(プール熱)

発熱・充血などの症状が出現した数日間が最も伝染性が強く、登園は主要症状が消失してから2日間程度たってからになります。

(7) 百日咳

抗菌薬を服用していない場合には、咳が出始めてから約3週間を経過するまでが最も感染性が強く、登園の目安は特有の咳が消失し全身状態が良好になってからになります。
抗菌薬は通常1週間程度服用しますが、必ず医師の指示に従って登園する必要があります。

(8) 腸管出血性大腸菌感染症(O157など)

登園の目安は症状が治まり抗菌薬による治療が終了し、2日間以上様子を見、検便で菌が検出されなくなってから登園できます。

(9) 結核

登園の目安は感染の恐れがなくなってからとなっています。

 
2. 医師の診断を受け、保護者が記入した登園届けが必要な感染症
(1) 溶連菌感染症

発熱やのどの痛みが現れ抗菌薬による治療を開始して1〜2日間くらいが、他者への感染性があります。
登園の目安は抗菌薬服用後1日以上たってからになります。

(2)  マイコプラスマ肺炎

適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後、数日間が他者への感染性があります。
従って登園の目安は発熱や激しい咳が治まってからになります。

(3) 手足口病

手足や口の中(口腔内)に水疱や潰瘍ができた数日間が、他者への感染性があります。
登園の目安は口腔内の痛みが和らぎ、普通の食事がとれるようになってからになります。

(4) 伝染性紅斑(りんご病)

発疹出現前の1週間が他の子どもへの感染性がありますが、発疹が出現した時にはすでに感染性がなくなっていますので、元気であれば園を休む必要はありません

(5) 感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルス)

症状のある間と症状消失後1週間程度が最も感染性が強い時期です(便の中へのウイルス排泄量は時間とともに減少しますが、数週間ウイルスを排泄するため注意が必要です)。
嘔吐や下痢などの症状がなくなり普段の食事がとれるようになることが登園の目安になります。

(6) ヘルパンギーナ

便には発熱後数日間多くのウイルスが排泄されますが、場合によっては数週間も排泄が持続することがあります。
登園の目安は熱が下がり、口の中の痛みがよくなり、普段の食事がとれるようになるのが登園の目安です。

(7) RSウイルス

せきや鼻水などの呼吸器症状のある間が他の人に伝染性があります。
登園の目安は呼吸器症状が消失し全身状態が良くなってからと判断下さい。

(8) 帯状疱疹(ヘルペス)

水疱形成している間、感染性があります。登園の目安は水痘と同じく発疹が全て痂皮化してからになります。

(9) 突発性発疹

登園の目安は解熱し機嫌が良く、全身状態が良いこと。

3.登園の届け出の必要はないが、医師診断や治療が必要な感染症
(1) 伝染性膿痂疹(とびひ)

発疹がある期間は接触することで他者へ感染しやすいので、登園の目安は発疹が乾燥してからか、包帯などでおおい、他人に感染しないように処置すること。

(2)  伝染性軟属腫(水いぼ)

登園の制限はないが、ひっかき傷から滲出液が出ているような場合には、患部を包帯や絆創膏などでおおうことが必要。

(3) あたまじらみ

発症から駆除を開始するまでの数日間が、伝染性があります。
登園禁止の規定はありませんが、治療をしていなければ他の園児への感染の可能性があるので、登園の目安は駆除を開始した後にした方がよろしいでしょう。



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